台湾一周のんべんだらり歩行

台湾を歩いて一周(環島)する日記

【台湾徒歩環島】2日目 新北~桃園

朝六時に自然と目が覚めた。
ドミトリーの他のベッドはまだ寝静まっている。
出来ることならさっさと準備を済ませ、早めに出発したいところだが、それができない。
昨日の夜中、寝返りを打った拍子に枕元に置いてあった充電器のコード一式を、ベッドと壁の隙間に落としてしまった。
僕は二段ベッドの上段で寝ていて、下段には香港から自転車環島に来ている女の子が寝ていた。
寝ている女の子を起こすわけにもいかない。かといって女の子を跨ぐわけにも、ベッドの下に潜り込むわけにもいかない。
どうしたものかと、ぼけっと天井を見つめていると、いつの間にか七時を過ぎていた。それでもまだ誰も起きる気配がない。
仕方がないので先に朝飯だけ外で済ませてしまおう。帰ってくる頃にはきっとみんな起き始めているだろうと思い、静かにベッドを抜け出した。



宿を出て昨晩夕飯を食べに来た繁華街へ向かうと、街はもう喧騒と活気に包まれている。
行き交う車とバイク。容赦ないクラクションが響く。
朝食の店だけじゃなく、果物屋や服屋もすでに露店を並べている。
あちこちで飛び交う話し声。
出勤前に朝食を買いに来るのか、「早餐」の看板を掲げる店には、ひっきりなしに原付がやって来ては、ビニール袋をぶら下げ飛び出していく。
日本では見られない活力に溢れている。

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その中の一件で朝食をしようと店内に入ったけれど、店員さんとお客さんのやり取りの勢いに気圧されて注文ができない。
モジモジしていると、おばちゃんに「なんにするんだい!」と怒鳴られる。

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どうにか買った蛋餅。早餐店の定番商品。クレープみたいな生地に玉子が入ってて、料金をプラスすると具を追加できる。
味は普通に美味しい。種類も豊富なので毎朝これでいい。



食事を済ませ宿に戻ると、香港三人組も起き始めていた。
下のベッドの女の子も、寝起きの目を擦りながらベッドのカーテンを暖簾のように押し上げ、すっぴんの顔を覗かせている。
顔を引っ込める前に、ベッドと壁の隙間に落とした充電器のコードがあるはずだから、探してみてほしいと必死に伝えると、無事に発見される。
香港三人組は自転車で環島している子達で、聞けば昨日僕と同じ松山駅からスタートしたという。どうやら入れ違いで、僕より三十分ほど前に出発していたらしい。

加油~!」

お互いに健闘を祈り先に宿を出発する。



今日は桃園の龍潭を目的地にする。
向かう途中三峡老街という古い町並みが残る通りがあるそうなので、寄り道をしていくことに。
地図を見ながら何となく進んでいくと、脇道に人波が蠢いている場所が。なんだなんだと、自然と足がそちらへ向かう。

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「三峡市場」の看板が。
平日の午前中に、どこからこんな人が集まってくるのか、日本の夏祭りのようでわくわくしてくる。

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売ってるものは違うけど。
三峡老街もこの近くにあるはずだと思い、市場で井戸端会議しているおばちゃんに聞いてみる。
観光客に何度も同じ質問をされているのか、打てば響くといった感じで、食い気味で即答され捲し立ててくる。
それを隣にいるおじさんが、ゆっくり復唱してくれて理解する。
言われた通り道を進むと、すぐに三峡老街が見えてきた。

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通りは観光に来た若者が多い。時間帯のせいか、閉まっている店が大半だった。

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市場のが断然面白いと思う。



この後はひたすら歩く。
道は狭いが交通量が少ないので、まだ歩きやすい。
進むにつれ建物が減っていく、峠に差し掛かると坂道の割合が増えてくる。
所々でエネルギー補給。あまり腹は減らない。

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菜包。外側が餅。客家料理なのかな。
美味いけど、餅より肉まんみたいな生地のが好き。

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茶葉蛋。どこのコンビニにも大体置いてある。コンビニ入った瞬間の臭い元。10元。問答無用で美味い。

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補給所では撮影を繰り返す。
この頃はまだよかった。
この後、徐々に足裏の痛みが増してきて、20キロを過ぎた辺りで痛くて痛くて。頻繁に休憩を挟んでいるのに、時速3キロも進まなくなってきた。

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恒例の撮影会も、飛び跳ねることはおろか、疲れきった顔でどこか遠くを見つめている。

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スローペースで進む。日が沈み始める。

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気づけば真っ暗。

宿に着いたのは七時過ぎだった。
龍潭では安宿が見つけられず、ビジネスホテルへ。800元。朝食付き。多少高いが仕方ない。

部屋に入ると真っ先にベッドへ倒れこむ。
そのまま寝たいくらいだけど、夕飯を食べに行かなければ。重い足を引き摺り近くの飯屋へ。

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滷肉飯。台湾飯代表。大好きだけど、疲れすぎてよく味わえなかった。
飯を掻き込み、部屋に帰り、シャワーを浴びる(何故か水)、ブログを更新することもなく泥のように就寝。