台湾一周のんべんだらり歩行

台湾を歩いて一周(環島)する日記

【台湾徒歩環島】34日目 花蓮県和平村~宜蘭県東澳

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和平を出発して少し歩いたところで、後ろから自転車が次々に追い越して行った。
同じ環島Tシャツを着ていたので、たぶんツアーの人達だろうと思い、その遠ざかっていく背中に「加油!」と声援を送る。
たくさんの自転車が通り過ぎたその最後方から、一台の車が追走していく。
そのまま走り去ると思っていたら、僕の横で停止しサイドウィンドウが下がる。

「徒歩環島しているのか?」

運転席のおじさんに話しかけられる。
なんかスポーティーなおじさんだと思っていたら、自転車環島ツアーのガイドの方だと言う。
おじさんも去年徒歩環島をして、25日間というハイペースで歩き終えたと言う。
環島先輩だとわかり色々アドバイスをもらう。
25日で1号線を一周するには、毎日40㎞近く歩かなければならないことになる。
おじさんはテント等は持たずに荷物を削れるだけ削り、ウルトラライト装備で歩いたそうだ。
そしておじさんが言うには、歩き環島に関して言えば、半時計回りより時計回りの方が、自分からも対向車が確認できるので安全だと言っていた。
なるほどなあと思ったが、僕自信は逆時計回りでよかったとは思う。



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おじさんは自転車ツアーのガイドなので、僕とのんびり話し込むわけにはいかない。
先へ行ってしまったみんなを追いかけるべく、また車に乗り込む。
去り際に、この先の道も危険だからと、自分が着用している反射板の付いた蛍光タスキをくれる。
なんだかドラクエで新しい鎧を手に入れたように心強い。例えるなら、先輩冒険者から譲り受けた『光の鎧』みたいな感じだ。



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今日も危険箇所では落石の痕跡が。
こんな大きさの石が頭上から落ちてきたらと思うとゾッとする。



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程なくして前方を歩く人影が。特に荷物を持ってるわけでもなく、ラフな服装から環島ではないのが見てとれる。
こんな何もない道を一般の人が歩いてるのを不思議に感じながら、追い抜く時に挨拶を交わす。それをきっかけに会話が始まり、なんとなく一緒に歩いていた。
おじさんはトンネルを掘ってる土方の人で、この近所の宿舎に住んでいると言う。土日の2連休を利用して、この先の漢本駅から自宅の新成に帰るのだそうだ。

「漢本駅の隣の店でビール買って、一緒に乾杯しようぜ。俺が奢るから」

おじさんはいつも列車を待ってる間、一人で飲んでるらしい。



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そして朝っぱらから、駅の駐車場の日陰に座り乾杯する。
おじさんがビンロウをクチャクチャ噛んでいるのを見て、食べてみたいと言うと一つくれる。
これが不味い。少し噛んでもう不味くて食べていられず、思わず吐き出す。
おじさんは笑いながら、これは慣れないと美味く感じないからなと言う。そんなおじさんは十三歳から食べているらしい。早過ぎないか。
けっきょくタバコももらい、ビールも二本飲み、健康に悪そうな物ばかり摂取してしまった。



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電車の時間が近づいてきたので、おじさんにお礼を言って別れる。
朝から楽しい出会いがあった。
しかしこの後頭痛に悩まされる。



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絶景の写真を撮りながら坂を上っていると、絶景の写真を撮りながら坂を下ってくる自転車の男性が。

「環島ですか?」

中国語で声をかけると通じない。聞けば韓国から自転車環島に来ていると言う。
僕が日本人と知ると、片言の日本語で話しかけてくれる。
台湾一周を終えたら、そのまま日本を自転車旅行すると言っていたのでLINE交換する。



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二人で話しているところに、今度はローラーブレードでやって来る人が。ローラーブレードは初めて出会う。その上、彼は中国から環島に来たと言う。
台湾で歩きの日本人、自転車の韓国人、ローラーブレードの中国人が揃い盛り上がる。
そしてまたそれぞれの速度で、それぞれの道を進み初める。



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南澳の入り口に野犬の群れが散歩している。
この犬たちは大人しかったからいいが、群で威嚇してくる犬は本当に怖い。
南澳は蘇花公路の中では一番大きな街だった。ただ今日の目的地は東澳。本当に大きな街を素通りしてしまう。



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東澳は南澳と比較してかなり小さな規模だったが、とりあえずコンビニと宿はある。
この日はけっきょく一日中体調が悪く、宿に着いて早目に就寝。