台湾一周のんべんだらり歩行

台湾を歩いて一周(環島)する日記

鈴鹿セブンマウンテン縦走 一日目

【一日目】

起床      4:10

大貝戸登山口  5:20

藤原岳山頂   7:20

竜ヶ岳山頂   10:15

釈迦ヶ岳山頂  14:10

テン場(根ノ平)  17:00





2018年5月21日、朝4時10分。
まだ窓の外は薄暗かった。
枕元に置いた携帯のアラームを止め、ベッドを抜け出しフリースを羽織る。
眠くはあったが、緊張と興奮で意識はすぐに冴えていく。
僕は鈴鹿セブンのスタート地点を、藤原岳の大貝戸登山口に決めていた。
奥さんに送り迎えしてしてもらえることになっていたので、早朝から申し訳ないが奥さんを起こす。
準備は前日に纏めてある。顔を洗い、歯を磨き、着替えたらすぐに出発。

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荷物は極力少なくしたかったので、朝食をガッツリ食べて、その分持っていく食料を減らそうと考えていた。
途中ですき家へ立ち寄り、牛丼の定食を胃に詰め込んだ。流石に早朝からはもたれる。
大貝戸登山口には立派な小屋が建っている。駐車場には車が二台。

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五時過ぎ、登山開始。
既に明るいのでヘッドライトは必要ない。この点は秋より絶対いい。一人で暗い山の中を歩くのは、怖くて怖くて。
藤原岳の上りは、八号目辺りまで単調なつづら折りが延々続く。誰もいない地味な上りを、黙々と歩く。
退屈といえば退屈だけれど、この地味な感じは嫌いじゃない。
一時間半で避難小屋の藤原山荘に着く。ここにも立派なトイレがある。そう考えると、藤原はよく整備された山だ。
まだ疲れていないので、トイレだけ借りてそのまま山頂を目指す。

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スタートから二時間。山頂に到着。
ここまでは順調だった。まだまだ元気もある。

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自分が今から歩く道を見渡す。期待と不安が膨らみ、変なテンションで坂を下る。
問題はここからだった。
藤原岳から竜ヶ岳へ向かうルートは、山と高原地図でも破線ルートになっている。
そして「迷」の文字が至るところにある。

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その名も「迷い尾根」。
もうどんだけ迷うんだと、地図を広げルートを計画してる段階から、かなりビビらせてくる。
藤原岳を抜けてすぐ、急な下りが始まった。と思ったら、滑り落ちていく。
下るというか、木から木へ飛び移る猿のように、斜面の木すがりつきながら滑り落ちていく。
自分にできる唯一のことは、ただただピンクのテープ目掛けて落ちていくのみ。
いきなり酷い目にあったなと、竜ヶ岳を目指し気を取り直して歩く。
驚くほどアップダウンしかない。

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藤原岳から竜ヶ岳の縦走路は、数年前に一度歩いたことがある。
今回久々に歩いて思ったのは、新しい標識が増えてる。そしてテープも新しい。これにはかなり助けられた。
迷い尾根に治田峠、鈴鹿セブンの難所を迷うことなく通過できた。

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十時十五分、竜ヶ岳着。
なかなか良いペースではあるけれど、二座目にして体力は使いきった。やりきった感に満たされるが、まだ先は長い。歩かないわけにもいかない。
竜ヶ岳から釈迦ヶ岳へ向かう途中、石榑峠で水を補充する。
ここを当てにしていたので、スポーツ飲料を1リットルしか持ってきていなかった。

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事前に調べた情報では、この看板の奥の道を進むと水場があるらしい。
でも、もし見つからなかったら下山するしかない。下山したいわけではないが、致し方ない。水がないなら、やむを得ない。撤退するも勇気。
祈るような気持ちで道を進むと、簡単に水場が見つかってしまう。
浄水しながら昼飯のポテチを食べる。

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この柵の先に釈迦ヶ岳への登山道がある。
白い看板にうっすら立ち入り禁止みたいなことが書いてあるので、入っていいのかわからずウロウロ探し回ってしまったが、ここで間違いない。
登山道入り口手前の空き地は、テント泊するにもよさそうな場所があったので、この辺りでテン場を探してる人は利用してもいいと思う。水場も近いし。

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ここから釈迦ヶ岳までの道のりが、長いこと長いこと。
さっき見たよねっていう、同じようなアップダウンを何度も何度も歩かされる。
どうせ後で上るなら、無駄に急斜面を下らせないでくださいと神様にお願いしながら歩くことになるが、願いは一切聞き入れられない。
この区間は疲労と距離の長さが合間って、精神的には一番キツいルートだった。

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午後二時過ぎ、釈迦ヶ岳着。
御在所岳が見えるが、遠すぎて全然嬉しくない。むしろ悲しくなる。
この日の計画では、水晶谷でテントを張ろうと考えていたけれど、時間的にも精神的にも、肉体的にも追い詰められていたので、水が確保できる場所があればそこで張ることにする。
その後は、良い場所がないか探しながら進む。

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御在所岳と雨乞岳の分岐、根ノ平に広い平地がある。すぐ近くに水場もあったので、ここを今日の寝床とする。



夜は飯を食いすぐ寝袋に潜り込む。
こんなに疲れるとは思わなかった。
鈴鹿セブン、予想以上に手強い。