台湾一周のんべんだらり歩行

台湾を歩いて一周(環島)する日記

【熊野古道・中辺路】一泊二日テント泊縦走、一日目

登った日:2018年06月25日~ 2018年06月26日

天  候:6月25日 AM晴 PM晴

メンバー:単独



【コースタイム】

滝尻バス停 9:30

高原霧の里休憩所 11:05

道の駅牛馬童子ふれあいパーキング 13:05

道の駅で昼食 13:05~14:05

近露 15:00

野中の清水 16:20

迂回路 17:45

蛇形地蔵 18:35

テント場 18:50


【一日目】

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4:30、渡瀬緑の広場キャンプ場で起床。

川沿いにあるので結露が酷い。

ツェルトの入り口を全開で寝たにも関わらず、少しの振動で雨のように滴が降り注いでくる。

他のキャンパーはまだ寝ているので、静かに撤収を済ませバイクを走らせ本宮へ向かう。



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6:30、キャンプ場からバイクで15分、熊野本宮に到着。

近くの川原が一面駐車場になっているらしいのでそちらへ向かうと、犬の散歩をしていた地元のおばちゃんに出会う。

その柴犬がやたらと可愛い。

聞けば思った通り女の子だった。

くしゃくしゃに犬を撫で回しながら、おばちゃんと話をしていると、

「駐車場なら、道路沿いの和歌山県世界遺産センターに停めるといいですよ」

「滝尻行きのバス停もそこにありますよ。便は少ないですけど」

色々教えてくれる、上品なおばちゃん。

やっぱり熊野は普通の田舎とは違う。歴史があるだけあって、人もどこか雅ているなあと感心してしまう。



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おばちゃんにお礼を言って、教えられた世界遺産センターへ向かう。

バスの時刻表を確認すると、一日に三便と、思いの外少ない。

次のバスは8:05。



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駐車場にバイクを停め、ツェルトを乾かす。

やることもないので、まだ人の少ない静かな本宮を散策する。



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9:30、滝尻着。本宮から一時間以上バスに揺られた。

バス停横の橋を渡ると、小さな集落がある。

右手には熊野古道館。左手にはカフェや土産物屋、ホステル等が数軒並んでいる。



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熊野古道館で是非もらってほしい地図。

無料とは思えない作りで、ルート、標準コースタイムだけでなく、施設や自販機、給水ポイント、実際の古道500メートル毎にある番号道標、とにかく事細かく記載してある。



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9:40、熊野古道中辺路、縦走スタート。

スタート地点の地図を眺めて計画を考えていると、隣のカフェのお姉さんが出てきて、コースのアドバイスをしてくれる。



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いきなりの急登が始まる。

「不寝王子」の石碑。熊野古道の至るところにあり、その都度解説のパネルも設置してある。これを読むのがまた楽しい。じっくり読んでは想像を膨らます。

歴史好きな人は、予定時間多目に設定した方がいいかもしれない。



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11:05、高原霧の里休憩所。

自販機にトイレ、休憩スペース、さらに土日祝日は草餅まで売っているらしい。

カフェのお姉さんの話で、この先道の駅までは何もないとの事だったので、自販機でジュースを購入。

休憩所を出発するとき、ちょうど目の前の家のおじいさんが軽トラで帰ってくる。

「こんにちはー」声をかける。

「こんにちは、今日は暑いね~。気をつけてね~」

会う人会う人みんな気さくだ。

山深い農村なのに、排他的な雰囲気はまるでない。

熊野古道は、何百年も旅人を受け入れてきたんだなあと嬉しくなる。



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坂を上っていくと、家の前で「エナジーバー」が売っている。ほんとにウェルカムだ。



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この後は、熊野古道らしい山道を進む。

石畳は苔で滑りやすいので注意。



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13:05、道の駅牛馬童子ふれあいパーキング着。

ここで一時間、昼休憩をとることにする。

めはり寿司と鯖寿司の弁当。茹で玉子に草餅。美味しくて値段も安い。



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歩きやすく眺めのいい道が続く。近露の町が見えてくる。



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15:00、近露に着く。

近露の町はこの辺りでは大きな町で、民家も多い。数軒の商店もあったので、飲食物の補充はここでできる。

旅館や民宿も点在しているので、野宿じゃなく宿泊施設を利用する予定の人は、ここで泊まる人が多いらしい。

僕はテント泊をするので先を急ぐ。



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近露の先の野中にも数軒の宿泊施設があった。



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14:05、継桜王子に着く。



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継桜王子から階段を下ると、道路脇に「野中の清水」がある。

「全国銘水百選」にも選ばれているらしく、ちょうど地元の人が汲みに来ていた。カッパを着込んでペットボトルに何十本も汲んでは、軽トラに積み込んでいる。

遥か昔から、熊野古道を歩く旅人は、ここの湧き水で喉を潤しつきたらしい。それを想うと不思議な感じがする。せっかくなので三リットル補充していく。



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「ボクのオチシコ冷しコーヒーだよ」

ハイセンスな自動販売機。



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17:15、小広王子に着く。

途中、東屋があったりするが、ツェルトが張れるような場所がない。自立式のテントを持ってこなかったことを悔やむ。

すでに午後五時をまわっていたので、焦り始める。

走れるところは駆け足で進む。

目的地は蛇形地蔵に定める。



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17:45、迂回路に到着。

蛇形地蔵まで後少し。

希望が見えた!



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「迂回路を通ると、蛇形地蔵まで一時間半かかります」

一時間半………

ウソ……

希望消えた!



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ここにきて、なんと山越えが始まる。

写真もこれ一枚。

「日が沈む前に着く!」

一心で休みなく山を登っては下り、

走れるところは走る。



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18:35、死に物狂いで蛇形地蔵到着。

何ここ怖い!

思ってた感じと違う!

薄暗く、肌寒く、小汚なく……

「なんか出てください」と言わんばかり。

参考にしていたブログを読んで、どこにテントを張っていたかを確認する。

「真夜中の山中の闇は非常に怖かった。テント近くで砂利の上を歩く音が一瞬聞こえました。」

これは良くない。良くないぞ。

おどろおどろし過ぎる。

急いで下ってきた坂を猛スピード登る。



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そして坂の上で無理矢理ツェルトを張って、一安心。



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今日は頑張ったから飯が美味い。

本を読んでいたら面白くなり、22:00就寝。