台湾一周のんべんだらり歩行

台湾を歩いて一周(環島)する日記

【台湾徒歩環島】9日目 日月潭(水社)~日月潭(伊達邵)

足が痛いので一日休養日を挟むことにした。
足裏が痛いのはいつものことだけど、踵がガサガサになりパックリと割れ、ピンク色の肉が覗いている。
痛みはまだ我慢できるが、裸足にサンダルで歩いているのでバイ菌が入って化膿してくるのが怖い。
昨日薬局でワセリンを買い、寝る前にたっぷり刷り込んでおいたがまだ変化はない。
酷くなるようなら対処しないと。

休養日と言っても全く歩かないわけじゃなく、対岸までは行こうと思っている。距離にしたら10㎞もない。
朝ゆっくりしようと思っているのに、いつもの六時に目が覚めてしまう。
けっきょく六時半に宿を出て、コンビニで朝食を摂り歩き始める。のんびり行っても昼までには着けるだろう。

歩き始めると昨日の子からLINEが入る。
お姉ちゃんの旦那さんが水社と伊達邵を繋ぐ遊覧船の船長をしているから、乗りたかったら言ってね、と言うことがたどたどしいけれど日本語で書いてある。
そして義兄が船長を勤める船の写真も送られてくる。
歩きながらLINEを読んでいて顔をあげると、まさに目の前に写真と同じ船が。

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歩いていくつもりなので船に乗る気はないけれど、挨拶だけしていこうと思ったが誰もいなかった。

本当に逢う人逢う人が気にかけてくれて、とても優しい。

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湖畔から対岸を望むと、水墨画のような淡い風景が続いている。

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湖畔のところどころが散歩できるようになっている。

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階段一段一段に日付と名前が彫ってある。著名人のたぶん誕生日なんだと思う。日本人も多い。

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王貞治

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芥川龍之介

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工藤新一

……

…………

く、くどうしんいち……!?

思わず二度見。
確かに工藤新一と書いてある。

『工藤新一 アニメの人物 コナン』

と。

なぜか一人だけ架空の人物が入ってる謎。

この時同じように階段を眺めてた台湾人のおじさん二人組に話かけられる。

「どうした、自分の名前でも探してるのか?」

「いや、僕の名前はない。おじさんのはあった? ここにアニメのコナンの名前ならあるんだけど…」

「俺のもないな。コナン…? ああ、日本人の名前もたくさんあるもんなあ」

え、コナンをさらっと流した…
まるでコナンに疑問を感じていない…
凄いなコナン。凄いな工藤新一。

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途中廟を通り、

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森を抜け(猿やリスを何度か見かけた)、

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湖畔を過ぎると、

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伊達邵に到着(外人さんがけっこういる)。
ゆっくり歩いても昼前には着ける。毎日このくらいの距離だといいんだけど。

昼飯を食べお茶を飲みながらブログを書いていると、チェックイン時間の三時になったので坂の上にあるバックパッカーズに向かう。

宿を見つけ入ろうとすると、「yoshi!」と呼び掛けられる。
誰かと思ったら、五日くらい前に海であったベトナムの男の子。
チャリ環島の子に再開するとは思ってもみなかったのでビックリ。

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地図を広げここまでの、これからのお互いの行程を確認しあう。
この子は移動先で二、三泊して観光、そしてまた移動を繰り返しているらしい。
僕のペースが落ちなかったら、また台南くらいで会うかもねとメールアドレスを交換する。
山の上のお寺へ行くと言うので、僕は日課の洗濯へ。
洗濯を終えベッドでゴロゴロしながらブログを書く。
ブログなんて書いたことなかったけど、こんなにも更新するのが大変だとは思ってもみなかった。
内容が薄いわりに時間はやたらかかる。
一昨日のブログを書き終える頃には夕飯時に。繁華街へ向かう。
勢いよく客引きをしてるおじさんの店を覗き、勢いに飲まれるようにそのまま店内へ。
メニューを見てもよくわからないので、厨房で直接見せてもらう。

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色々説明してくれる。もう言われるままに頼む。

「日本人? 船で来たの?」

「歩いてきました」

「なんで歩いてきたの?」

「徒歩で環島してるので、歩いて来ないといけなて」

「あ! 昨日台中から来るトンネル歩いてなかったか? 見たよ見たよ。環島してたのか!」

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玉子はサービス。

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団子はサービス。

おじさん、日本大好きと言ってくれる。
去年は三回、沖縄、北海道、東京へ行ったらしい。今まで行った場所、回数を聞くと(北海道5回とか言ってたし)、僕より全然日本観光してる。

横の席にいたおじさんの親戚の女の子と、三人で話が始まる。
女の子はこのよくわからない日本人に興味を持ってくれたのか、色々聞きたいみたいだけど、恥ずかしいのか必ずおじさんにワンクッション。おじさん経由で質問が来る。三回くらいそれを繰り返して、おじさんはもう面倒になったのか「自分で聞けばいいだろ!」と突き放して思わず吹き出す。その後は直接答えることにした。

「『徒歩環島』っ書いたプレートしてないの?」と女の子。

「してないよ」

「なんでしないんだ?『徒歩環島 日本人』って書いたら、台湾人みんな日本人大好きだから、必ずみんなが助けてくれるぞ!絶対に」と、『徒歩環島 日本人』のプレートの効果を力説するおじさん。徒歩環島をしている人は、だいたいプレートをするらしい。



「大きいバック背負ってるの?」と女の子。

「そういやあ、小さいの背負ってたな」とおじさん。

「一応テントと寝袋は持ってるけど、服は二枚だし…」



「なんで歩きなの?」と女の子。

「自分でもなんでかわかんないけど、好きなんだろうね、歩くの」

「そういえば、今日本を自転車で環島してる台湾人がいるぞ」と、YouTubeを見せてくれるおじさん。


その後も話は盛り上がり、ビール飲むかと言ってくれるけど、腹がいっぱいで入らないので断った。

楽しい夕食を終えお金を払おうとすると、お金はいらないと言ってくれる。その上、台中のお菓子までオヤツに持たせてくれた。

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お礼を言いみんなで写真を撮る。
女の子の携帯でも二人で写真を撮る。
おじさんの言う通り、おじさんも含めて台湾の人は日本人に本当によくしてくれる。

休養日だから特になにもないだろうと思ってたけど、今日も楽しい一日だった。

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九日目歩行距離12㎞ トータル291㎞