台湾一周のんべんだらり歩行

台湾を歩いて一周(環島)する日記

【台湾徒歩環島】7日目 台中~雙冬

朝食はシナモンロールと、前日の夕飯の残り物。
珍しく朝御飯が充実している。

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二人の手作りのは特別美味い。
朝から満腹になり、シナモンロールは一個しか食べれなかったので、最後のひとつは紙に包んでオヤツにザックのサイドポケットへ。

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台中は大きい。市街地を抜けるまでが長い。街歩きはもう飽きた。

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ヨボヨボのお年寄り犬。よたよた歩きで近づいてきて可愛い。

救急車が追い越していったと思ったら、自転車と車の事故があったみたいで、自転車の男性が倒れていた。

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意識はしっかりしているけれど、全身血まみれでかなりの出血だった。車のリアガラスも一面のヒビ。
車道を長時間歩くこともあるので、他人事ではないと怖くなる。

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昼に入った牛肉麺専門の店。台湾のラーメンは日本人からすると薄く感じるけど、この店は濃くてかなり美味かった。通いたい味。店員のお姉さんも親切。

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道で売られていた中古車。
さすが「イニシャルD」が実写で映画化された国。

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途中から環島1号線を外れ、平行して走る田舎道を進むことに。そっちのが楽しそう。

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楽しそうと言いつつ顔は険しい。

田舎道を歩いていると、大音量のカラオケがどこからともなく響いてくる。民家だったりレストランだったり廟だったり。決まって演歌のような曲。

そんな田舎の道を歩いていると、五時を過ぎ日が傾き始める。
暗くなる前に寝る場所を探さないといけないと思っていると、大通り沿いの多少栄えた(コンビニが一軒ある)通りに出た。
派出所があったので、この近くに安く泊まれる場所がないか聞いてみる。陽気で愛嬌たっぷりのお巡りさんが出てくる。

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お巡りさんが言うには、来た道を2キロほど戻ったところに、1000元で泊まれる汽車旅館があるとのこと。それ以外はこの辺りではないらしい。
それならと思い、テントを持参しているのでこの辺にキャンプできる場所はないか聞いてみる。
道をそれて山へ3キロほど向かうと、500元でテントが張れる場所があると教えてくれた。
今から出ると山道で日が沈むなあと思案していると、お巡りさんが勤務六時までだからその後車で送ってあげるよと言ってくれる。
先へ進むわけじゃないから乗せてもらうことにする。
とりあえず座ってお茶でも飲んでと、ちゃんとしたお茶を頂く。高級らしい。

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そしてタバコも頂く。ピース。
数年前からタバコは吸っていないけど、久々に吸ってみるとクラクラする。

環島をしていると言うと、お巡りさんの彼女が日本語少しできるから今から呼ぶよと電話をかけ始める。しかも来る途中夕飯を買ってきてくれると言う。

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海鮮炒麺、お巡りさんと一緒に食べる。
ご飯を食べながら三人で話していると、派出所のボスがやって来る。
そして私服の男性が。彼女のお兄さん。
そしておばあさんが。彼女のお母さん。
そして大量のバナナを持ったおじさんが。友達。

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サックス演奏も始まる。
みんなでお茶飲んで喋って本当に賑やか。日本の交番ではあり得ないような光景。台湾では交番も友達の家感覚なのか、みんなフレンドリーで楽しい。交番にいることを忘れそうになる。

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いつの間にか七時を過ぎ辺りは真っ暗になっていた。
記念撮影をして出発。キャンプ場までなんとパトカーで乗せていってもらえるらしい。こんなところでパトカーに乗れるとは。

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お腹空いたら食べなとカップ麺を持たせてくれる。

少し交番に立ち寄っただけのよくわからない日本人に、こんなにもよくしてもらえるのかと驚く。

謝さん(お巡りさん)の運転でキャンプ場に着くと、街灯ひとつない暗闇。山小屋の明かりもついていない。
入り口の鉄の門がしっかりと閉ざされている。
車のクラクションを鳴らし呼んでみるも反応がない。パトカーのサイレンを鳴らし(鳴らしていいんだ?)呼んでみるも、やはり反応がない。
謝さんが電話をかけてくれる。
派出所で電話をして行くことは伝えてあったけど、来るのが遅くなったのでもう小屋の人が帰ってしまったらしい。

「困ったなあ、泊まるところはもう汽車旅館しかない」と謝さんが言っているので、「汽車旅館で大丈夫ですよ」と言う。
ないものは仕方ないし、ここまでしてもらっているので、少し高くてもこれ以上迷惑をかけるわけにもいかない。
今日歩いてきた道を少し戻り、汽車旅館まで送ってもらう。
入り口のゲートで宿屋のおばちゃんと台湾語でなにやら交渉している謝さん。
雰囲気から、まけてくれと頼んでくれているようだったので、まけてもらえるのかと思っていたら、確かにまけてはもらっていたけど、お金をそのまま謝さんが支払ってしまった。

「なんで!?なんで!?」

と慌てて財布を出すと、

「日本から来た弟みたいなものだから」

と、お金を受け取らない。
驚きと感動で呆然としてしまった。
僕の引き出しの少ない中国語では、この『ありがとう』を全然伝えきれなかったけど、きっと日本語でも伝えきれなかったと思う。

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最後に、記念撮影とLINE交換。

「疲れただろうから、ゆっくり休んでね」

そう言って謝さんは帰っていった。

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本日の歩行距離28㎞ トータル240㎞