【台湾徒歩環島】23日目 恆春~満州港口
痒くて眠れない。また蚊だ。恆春のバックパッカーズは蚊の巣窟だった。
20~30くらい刺されたと思う。暑いのを我慢して布団を被ると、顔に集中して刺しに来る。顔がボコボコ。
余りにも眠れなさすぎて、どうせ眠れなくて蚊に刺されているだけならと、朝5時過ぎにベッドを出て六時前にはもう宿を出て歩き始めた。
宿のオーナーもそっけないし、ここにはいい思いがない。
早朝の恆春の街。街の中に城門みたいのあるし、観光したら楽しい街なのかもしれない。なんもしてないから知らないけど。
ほとんど眠っていないので、歩き始める前からすでに体調が悪い。歩き始めると更に悪い。歩けば歩くほど悪くなる。早朝は涼しいけれど、街が目覚めると徐々に暑さも厳しくなる。
恆春を抜け墾丁に、そして最南端の「台灣最難點」の石碑を目指す。鵝鑾鼻(ガランビ)と言う灯台がある公園の隣にある。
墾丁に入ると所々海が開けビーチがある。いかにも南国のリゾート地の雰囲気。
それにしてもビーチパラソルが多すぎる。これがすべて人で埋まると思うと、まったくのびのびできない。
以下にも観光地だけど、海も空も綺麗で悪くない。悪いのは僕の体調だけ。
休憩を挟まないと限界だったので、ビジターセンターで一休みすることに。
まだ開いていないので、外のベンチで無心になる。
そうしているうちに職員の人が次々に出勤してきて、オープンしたので冷房の効いた室内へ。
職員用の入り口の片隅にあるベンチでロキソニンを飲んでぐったり。
しばらくしてよくなり始めた頃に、女性の職員が出勤してくる。足元には猫がすり寄り甘えた鳴き声をあげている。
猫のご飯をあげていたので、ここで飼われているのかなと思ってみていたら、噛まないから触っても大丈夫よと言うので、撫でているとすぐにグルグル喉を鳴らし始める。可愛い。
スリスリしてきてこんなに可愛い猫なのに、職員の女性が怖いことを言う。
「この子リスを捕まえて食べちゃうのよ。鳥も捕まえて食べるけど、鳥はあんまり好きじゃないのか残しちゃう。野性的なの」
凄いなこの猫。こんなに人懐っこいのに野性的すぎる。
ビジターセンターは自然に関する映画もやってるから、ゆっくり見ていったらと言われたが、先を急ぐことにして出発。
このいかにも観光地らしい爽やかな景色。みんなは原付をレンタルして観光しているようで、汗だくの僕を風を切って追い越していく。
そして目指す最南端。ルートを外れてからがまた長かった。ちょっと寄り道っていう気楽さは皆無。どうにか写真を撮ってもらうも、体調不良でそれどころじゃないのを、顔が物語っている。
暑すぎて買った椰子の実ジュース。これが絶妙に不味い。全然飲めなくはないんだけど、全然飲みたくもならない味。
海外から観光で来てる子が乗ってかないかと声をかけてくれる。なんと親切な子だろう。
最南端を過ぎた後はなかなかの絶景が続く。今まで歩いてきた道とはいきなり雰囲気が変わり、突然の大自然。ただ観光客が多く、観光バスが頻繁に行き来しているので、歩きやすくはない。
休憩の時は毎回靴と靴下を脱ぐのだけれど、この時も靴下を脱いで干していたら、突然の強風に飛ばされて落ちてしまった。かなりの高さなので諦めて裸足に靴で歩く。
港口の街はほとんど何もない小さな田舎街だった。今までと雰囲気が変わり新鮮。
宿はオシャレ。基本サーフィンする人が泊まりにくるらしい。この日は客が僕一人なので、ドミトリーだけど貸し切り。
宿のオーナーもスタッフの子も気さくで親切。
街には食事できる場所がたぶん一軒しかなく、この日二人はちょうど墾丁の街で用事があるというので、街まで乗せていってくれることに。
ついさっき一日かけて歩いてきた道を、車であっという間に引き返す。
街の中心で下ろしてもらい、七時に待ち合わせる。
夕飯は牛肉面を食べたけど、墾丁は外国人が多い観光地だからか、物価が高い。飯はどれも1.5倍くらいする。
雰囲気は好きだけど、長居はしにくい街。
七時に回収してもらい宿に帰る。
田舎大好きな田舎育ちのオーナーは、年が近いし田舎者同士だからか親近感が湧く。飾らない感じがいい。
やっぱり体調がいまいちで疲れていたのか、布団で横になっていたらいつの間にか眠っていた。